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国内外で高い評価を受けるアーティスト、チアキ コハラが語る新たな挑戦「苦しみの中でしか得られない楽しさがある」

チアキ コハラ (Chiaki Kohara)
画家・アーティスト

アクリルガッシュとボタンやレース、お菓子のパッケージなど様々な素材で描かれる大きな耳に奔放に手足の伸びた女の子たちや動物。その極彩色の世界観は、女の子なら一度は憧れたであろうワンダーランド。現在は国内外のアートフェアにも参加し、多くのファンを生み出している。

公式サイトはこちら

◀︎ 写真:桑島薫 / photo : Kaoru Kuwajima

独特のタッチで生み出す作品が国内外で高い評価を受けるアーティスト、チアキ コハラさんにインタビューをさせていただきました。彼女の作品づくりについて、その作風に至ったきっかけ、今後の活動、本格的に始動し始めた新たなチャレンジについて、たっぷり語っていただきました。

チアキ コハラさん独占インタビュー

インタビューにご協力ありがとうございます!本日はよろしくお願いします。アクリルフォト3種類作らせていただきましたがいかがでしょうか。

こちらこそよろしくお願いします。ありがとうございます!すごく可愛いと思います!

今回私が描いた絵をアクリルにプリントしてもらいましたが、想像していたよりも写真のような質感の仕上がりになりましたね。私もいろいろとグッズをつくる機会があるのですが、原画の雰囲気がどんな感じで現物に反映されるのかいつも興味深くて、これだけ厚みのあるアクリルにプリントしたのは初めてだったので楽しみにしていました。これはこれですごく面白いと思います。

見る角度によって雰囲気が変わるのが特徴です

そうですよね。横から見ると色がくっきり見えて面白いです。今回 Maskii(マスキー)さんでアクリルフォトをつくろうとなった時に、自分の絵だったらどれが面白く仕上がりそうか考えた結果、この3作品をチョイスしました。

この瓶の中にネズミが入っている絵はアクリルの質感が相まって、ガラスの中にさらに瓶があるように見えるかなと思ったんですけど狙い通りでいい感じです。

女の子と亀が芝生にいる絵だと角度によって星の数が変わって見えたり芝生が手前に見えたりしそうだなと思ってたんですけど、これも狙い通り角度を変えるとそのように見えるので良かったです!

黒い背景の絵はどうなるのかなと好奇心で選びましたが、側面まで柄があるように見えて不思議です。かっこいい感じ。狙った通りの部分と、予想外の部分と、実際に作ってみないとわからないことが多くて楽しいですね。

周囲からは懸念されていた毒々しいタッチの絵での受賞、自分らしい作家性を育んだ学生時代

小さい頃から絵を描くことが好きだったのですか?

小さい頃は粘土とか工作が特に好きでしたけど、もちろん絵も好きでしたよ。

当時はどのような絵を描かれていたのでしょうか

高校を卒業して専門学校に入る頃までは人間をあまり描かずに動物をメインで描いていました。動物の爪とか目とか、生きるために備えられた体の造形に、とても魅力を感じます。なので、高校生の頃はずっと動物ばかり描いていました。

専門学校で作風の変化があったのでしょうか

高校から進路を選ぶときに美大か専門学校かで迷って、最終的に専門学校に行くことにしました。理由はいくつかあるのですが、設備も人も環境が整いすぎていると、私はきっと甘えちゃうだろうなと思ったのが大きな理由です。

そういう美術に適した環境がなくても私は描くことは辞めないだろうと思っていたので、アナログ制作に特化していた私にとって苦手だったデジタル系のテクニックを学ぶためにイラストレーション・デザインを学べる専門学校に行きました。本当にパソコンが苦手だったんですけど、入学前にくらべてかなり使えるようになったし、卒業前に挑戦したコンペで賞をいただけたりもしたので、そういう意味では変化はあったと思います。

そのコンペで受賞されたのが「UNIQLO CREATIVE AWARD 2007 草間彌生賞」ですよね

そうですね。その当時、周りのみんなや先生にもやめときなよと言われていた毒々しいタッチの絵を出したのですが、それを選んでいただけたので、背中を押してもらった感じというか、自分の感性を貫いていいんだと思えるきっかけになりました。

大人気の個展・ライブペインティング

個展やライブペインティングの人気も凄いですね

本当にありがたいですね。

ファンの方と接するのはどうですか?

すごく楽しいです!個人的には作家とファンという立ち位置ではなくて、一度会ったらもうみんな友達だと思ってそれぐらいの距離感で話してしまいます。1年に1回は個展をしたいなと思っているんですけど、そこでいつもみなさんプライベートなことも含めていろんな話をしてくれますし、私も近況報告ができて嬉しいです。

積極的にコミュニケーションを取るんですね

めちゃくちゃ喋ります!みなさん作品についても色々とヒントをくれるので。

ヒント?

例えば、私は絵を描くときにいつも描くもののテーマをこれだ!と決めている訳ではないんですよ。どちらかというと無意識に描いているような状態です。でもそれはおそらく今まで私が生きてきて好きなモチーフだったり色だったり、忘れられない思い出や景色だったり、それが溢れ出ているんだと思うんですね。

展示会では皆さんが作品について質問をしてくださるので、無意識に描いていたものが実はあぁ、そういうことだったのかと私自身が気づいていなかったことに気づかせてくれます。なぜチアキさんの描く人物は手足が細くて長いの?とか、女の子が浮かない表情をしているのはなんで?という質問とか。一緒になんでだろうって考えながら徐々に答えが見つかっていくのが楽しいんです。

確かにニッコリ笑っている子はいないですね

そうなんですよ。それも質問をされる中で気づいたんですけど、子どもの頃の私は大好きなものを素直に大好きだと言えないような、好きだけど嫌いと言ってしまうような、少しひねくれた子どもでした。無意識のうちにそういう幼少期の記憶が重なって作品で描く子たちの表情にも反映されているんだと今では納得しています。みなさんの力を借りて作品が完成していくので、その過程が感慨深くてとても不思議な感覚になりますね。

これからの活動・新たな挑戦について

絵以外の活動も積極的にされていますよね

はい、造形作家さんとコラボして全長2メートルのオブジェをつくったり、木工作家さんとコラボしてLUCUA osakaの一階ウィンドウに木製のマリオネットを展示したりもしました。

▲ collaborated with ワーブリングトーン

イメージを作家さんと共有して立体の作品にするわけですか

まず全体的なディテールやパーツごとの詳細について構想を練った資料をお渡しして、イメージを立体にしてもらっています。色には特にこだわりがあるので、白い状態の造形を作ってもらい最後に私が色を塗って仕上げるというのが基本的な流れです。

コラボしていただいた作家さんには、私の無理難題を叶えてくださりとても感謝していますし、新しい刺激もたくさんもらえます。そして何よりも私の絵が原画だけに閉じ込められているのはかわいそうだと思うので、平面から飛び出てもっといろんなことに挑戦していきたいと思っています。

▲ collaborated with 木工家 賀来寿史

今後はどのような活動をしていく予定ですか?

昨年、新卒から10年勤めた会社を退職して独立したこともあって、今年は改めて自分を見直す期間にしたいと思っています。20代の頃は100mを全速力で駆け抜けてきた感じなのですが、30代になって状況も環境も変わった今、走り続けることは変わらないんですけど景色を見ながらというか、走っていることを自覚しながら進んでいきたいですね。

具体的にやりたいことや今後の予定はありますか?

CALAR.ink(カラードットインク)というクリエイティブユニットに所属しているのですが、そこでアートとテクノロジーを融合させた作品をつくっています。芸術祭とかで主にテクノロジーとライブペインティングを合わせたショーを行っています。

元々、メンバーとはアートのハッカソン「Art Hack Day 2015」で知り合いました。そこでの作品の制作発表で私たちはやりたいことを全部詰め込んだ結果、バグだらけで大失敗をしてしまうんです。落ち込んでいたんですけど、なんとそれがアート部門の最優秀賞を取ることができて、ある審査員の方に「5冊しか入らない本棚に7冊の本を詰め込もうとしている。それぐらいやりたいことを全部詰め込むというスタイルが自分たちの作品づくりに近い」と言っていただきました。また別の審査員の方には「締め切りが何よりも大事だけど、熱量があれば締め切りは先方が伸ばしてくれるものだ」とも言っていただきました。

▲ ©2015 CALAR.ink 「運命的アクシデント」

大失敗ではあったけど、本当にありがたかったです。頑張れよと背中をおす意味で賞をいただいたと思っていますので、これから作品や活動を通して自分の中のアートの枠を飛び越えていきたいです!

すごい出会いですね!

リアルな舞台感というか、なかなか味わうことができないような熱量があふれるすごいイベントでしたし、あれから新しいメンバーも加わって、これからもこのユニットで作品を作っていきたいなとますます意欲的に燃えています。今後の方向性を決めるきっかけになった出来事でした。

ではこれからはCALAR.inkさんでの仕事が中心になるのでしょうか

個人の作品をつくることは辞めません。学生の頃のように改めてじっくり自分に向き合って作品を制作したり、コンペに参加したりしたいなと考えています。

ただ一旦今年は個展もやる予定はないですし、このチームでいろんな案件にチャレンジしていきます。ケンカもしますけど、いい経験ができている実感はあるし、苦しみの中でしか得られない楽しさがあるので、これをやるしかないなという自分の直感を信じてこの先も走り続けていきたいです。

▲  ©2017 CALAR.ink 「During the Night -よるのあいまに-」

なるほどそれはすごいですね!これからの活動も楽しみにしています。本日はありがとうございました。

今後の私の作品をぜひ一度観に来て下さい!こちらこそありがとうございました。